子育て中フリーランス必見!税理士が教える会計業務を効率化させるポイントとは?

フリーランス向けスマホアプリ「スマホ会計FinFin」、「スマホインボイスFinFin」を運営する会計バンク株式会社と、「ただ仕事ができるスペースではなく、様々な何かが生まれ、つながり、発展し、仕事がはかどる」をコンセプトに、保育園併設コワーキングスペース ツナグを運営する合同会社まなびの木は、2023年7月19日(水)、フリーランスで働きながら子育てをするパパやママを主な対象としたセミナー『会計バンク×ツナグ フリーランス集合!気軽に税理士に相談もできる会計ミーティング in 足立』を開催しました。
セミナーには税理士の久保佑紀先生を講師に迎え、フリーランスとしての継続的な働き方や、限られたスキマ時間を有効活用した経理処理、確定申告、インボイス対策など、子育て世代が知っておきたい会計情報やテクニックなどが紹介されました。

はじめに、会計バンク 常務取締役 COO 小林紳一氏より本セミナー開催の経緯を説明。会計バンクは、“未来のフリーランスの「当たり前」”を作るため、“すべてのスモールビジネスへ新しい出会いを創造する社会基盤をつくる”をミッションに、創業69年続く会計事務所のソリマチグループから2021年9月に立ち上げた会社です。そして、2022年12月1日よりフリーランス・個人事業主に向けたスマホ会計アプリ「スマホ会計FinFin」、「スマホインボイスFinFin」のサービス提供を開始しました。現在フリーランスの人口は約1577万人と言われています。中でも子育て世代のフリーランスにとっては、産休育休が無かったり、育児休業時の給付金制度も無く経済的支援が制限されていることで出産をためらったり、産後の無理な早期仕事復帰の問題、会社員と比べ収入の不安定さなどの課題があります。そこで会計バンクは、フリーランスで働くパパやママに少しでも何かできないか、役に立ちたいという思いから本セミナーを企画したそうです。

続いて、ツナグ 代表社員 渡辺暁子氏が登壇し、本セミナーへの想いを述べました。自身も子育てしながら会社員として働く大変さからフリーランスに転身。しかしフリーランスは自由がある一方で代わりがいない、子育てしながら時間がうまく使えないなど、大変さと苦しさを感じたそうです。そこで、フリーランスを支える場所の必要性を感じ、フリーランスを応援する場所「コワーキングスペース ツナグ」を2019年に設立しました。渡辺氏は「フリーランスの保障はまだまだ足りておらず、自分自身で何でもやらなければならない、中でも会計業務が大変で聞く人もいない…そんなフリーランスのパパやママが直接税理士の先生と話ができる機会を紹介できることを嬉しく思います」とコメントしました。

税理士による会計セミナー「子育て世代のフリーランス応援 会計ミーティング」

ここで、2人の子どものママで税理士の久保佑紀先生が登壇し、効率的な経理処理や確定申告、今注目のインボイス対策について解説しました。

■子育て世代×フリーランス
子育てと仕事を両立できるフリーランスは、仕事上のメリットとして、「キャリアが継続できる」「経営の経験ができ、経営判断ができるようになる」「経済的な備えを途絶えさせない」ということが挙げられます。育児に関しては、「子どもの体調に合わせられる」「子どもの行事に参加するなど、成長の様子が見られる」「親の働く姿を子どもに見せることができる」ということが考えられます。しかし、仕事と育児の両立を継続的に実現するためには、仕事量を調節する必要がありますが、仕事量を変えずに時間を圧縮、つまり時間の効率化を常に意識することが大切です。時間を効率化することによって、経営に関して考える時間も増え、それが利益へと繋がります。そこで、“効率的な経理処理”がポイントとなってくるそうです。

■効率的な経理処理のポイント
経理とは経営管理のこと。“お金・会計・税金を管理すること”が経営管理であり、これらは国に申告が必要なもので、事業の“守り”となります。“守り”を固めることで経営への指標ができ、“攻め”へと活かすことができるといいます。
経理の流れは、①収集→②記録→③経営分析の3ステップ。収集と記録は経営分析に繋がります。この経営分析が一番時間をかけるべき部分なのですが、その前の収集と記録に時間がかかってしまうという人が多いかもしれません。この収集と記録を効率化することによって、経営分析に時間をかけることができるそうです。

【ポイント①】収集に時間をかけない
収集対象は、売上・経費に関する書類。(例:請求書、領収書、見積書、納品書など)収集のポイントは、
・もれなくすべて集める(税務調査の証拠となる)→経費になるのか分からないものもすべて取っておく。判断は次のステップでOK
・日付・金額・内容・相手先(理由)→もらうときに漏れがないか確認する。再発行は非効率的
・整理は最低限でOK→自分で分かる程度にまとめる(チャック式のクリアファイルに入れるだけでもOK)
・過去3年分はすぐに出せる手元に、7年分までは保管していればOK→税務調査に備えておく
【ポイント②】記録に時間をかけない
記録とは、会計データ(決算書)を作成すること。時間をかけない会計処理のポイントとしては、
・会計ソフトを使う→手書きやエクセル集計より効率的
・自動化で会計処理ができる会計ソフトを選ぶ→ネットバンク、クレジットカードや電子マネーの取引情報を連携して会計データが作成される(例:スマホ会計、クラウド会計)
・支払い/入金手段を限定する→現金ではなく、会計ソフトに連携できるもののみにする
・勘定科目/摘要の判断に時間をかけない→細かくなくても大丈夫、省略できるところはする
・貸借対照表の残高を合わせる→預金残高が実際と合っているかなど、チェックする癖をつける(確定申告に備える)
【ポイント③】経理は「経営分析」のためにしっかりと行う
収集、記録したものを経営分析に活かしていきます。経営分析では、売上、利益、資金繰りを確認します。
・売上:年計表(月別では波があるので年単位で確認)、顧客別(大口の顧客だけでなく複数先とのやり取りをすることが経営する上で大切)、獲得形態(どんなルートで顧客を獲得したか)を確認
・利益:粗利益と経常利益を見る。粗利益率が低すぎないか?経常利益が黒字をキープできているか?赤字の場合は売上が少ないのか、支出が多いのかを分析する
・資金繰り:すぐに使える現預金を確認する。月の売上の1カ月分は必ず確保する。3カ月分あると経営上安心。それがずっと(6カ月)続くかを予測する

■確定申告は経理の集大成
3月に提出する確定申告。売上から経費を差し引いた総所得を出す作業は、多くの人が時間をかけてしまうところですが、上述のように日頃からこまめに収集と記録を行い、経営分析をしておくことで確定申告もスムーズに行えるようになるそうです。

■今一番気になる!インボイス制度ってどんなもの?
インボイス制度とは簡単に説明すると、「2023年10月1日以降、消費税のルールが変わり、消費税の受け取りが有料パスになる=インボイス登録が必要になる」ということです。インボイス登録すると、①消費税の申告と納税②請求書の形式が変更、この2点が必要になります。一方、登録しない場合は、消費税を受け取れなくなる可能性が出てきます。では、インボイス登録するかどうかをどのように判断すればいいのでしょうか。久保先生は、自分が登録の必要があるかどうか、以下のチャートを判断の指標として紹介しました。

セミナーの最後には、スマホ会計アプリ「スマホ会計FinFin」の使い方も紹介されました。こちらはスマホ上だけで会計業務が完結するというもの。登録の仕方も簡単で、各種帳簿の作成や確認、クレジットカードや銀行口座の登録をすることで残高確認や口座明細から自動仕訳、レシートを撮影して読み取り、自動仕訳をしてくれるなど、忙しいフリーランスをバックアップする機能が備えられています。また、「月イチ会計」という月に1回ずつ経理の習慣化を促す機能も。基本機能は無料で、有料の機能なら確定申告をスマホ上で行うこともできます。本セミナーで久保先生のお話にもあったように、このような会計ソフトで会計処理を自動化し、効率的な経理処理を行っていくことがフリーランスとして継続的に働くことへ繋がります。フリーランスで働いている方、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。


・スマホ会計FinFin:https://www.finfin.jp/sp-kaikei/
・スマホインボイスFinFin:https://www.finfin.jp/sp-invoice/