2025年4月、東京都で新築マンションへのEV充電設備設置が義務化されます。これにより、EVは一部の層に限られた存在ではなく、私たちの暮らしの中に本格的に入り込んでくる段階に入りました。本記事では、日産自動車が2025年3月に発表した最新の意識調査をもとに、EVを取り巻く社会の動きと、ライフスタイルの変化についてお伝えします。
EV充電器の設置が「当たり前」になる時代へ
東京都が2025年4月から施行する新しい条例では、新築マンションにおいて、一定数のEV充電器の設置が義務化されます。背景には、「2035年までに新車販売をすべて電動車にする」という国の方針や、地球温暖化対策への取り組みがあります。

日産自動車の調査によると、この制度の認知度はまだ高くありません。2025年度から東京都では新築集合住宅などの建築物にEV充電器の義務化が施行されることを知っている人は全体の41.2%にとどまっています。今後ますます普及が進むと見られるEVですが、そのためには制度の周知や理解が欠かせません。
自宅での充電が、EV購入のカギを握る

EV普及の障壁となっているのは「充電環境」の整備です。日産の調査では、「自宅でEVを充電できる環境が整えば、EVを購入したい」と答えた人が74.4%に上りました。

一方、「自宅に充電環境がないため、EVの購入を諦めたことがある」と回答した人も52.2%にのぼります。このことからもわかるように、EVを持つかどうかは「クルマの問題」ではなく、「住まいの問題」ともいえます。EVはガソリンスタンドで給油するのではなく、自宅で充電できてこそ本来の便利さを発揮します。そのため、集合住宅での充電環境の整備は、今後のEV普及にとって重要な要素です。
EV購入意向の増加とその理由

2022年、EVと住環境についての調査リリースではEVへの関心の背景として、まず環境への配慮が挙げられます。多くの消費者がEVは二酸化炭素排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献すると認識しています。経済的なメリットも重要な要因です。ガソリン価格の高騰により、燃料費のかからないEVへの注目が増しています。
技術の進化も重要な要因です。充電インフラの整備が進み、バッテリーの性能向上により航続距離が伸びたこと、加速や走行性能の良さなど、EV自体の魅力が向上しています。今後、充電インフラのさらなる整備や価格面での課題解決が、EV普及拡大の鍵となるでしょう。
EV時代のライフスタイル
これからは、「朝スマホを充電するようにクルマも自宅で充電する」「ガソリンスタンドではなく、駐車場がエネルギー補給の場となる」といった、従来とは異なるライフスタイルに変化していくでしょう。共働き世帯であれば、深夜に充電して朝には満タンの状態で出勤できるのは大きなメリットです。また、買い物帰りや子どもの送迎の合間にも気軽に充電ができる環境が整えば、EVの利便性はさらに向上します。
EVの普及は私たちの時間の使い方や暮らしの質にまで影響を与える存在となっているのです。
日産が行うEVの取り組み

EV普及の流れを受けて、日産では「EV充電器設置でマンションの未来を守れ!未来に任せる君」や「あなたのハテナを解決!なるほどEV CHARGE」といった取り組みを通じてEVの役割や充電器設定の大切さを解説しています。
「あなたのハテナを解決!なるほどEV CHARGE」では、電気自動車とガソリン自動車の違いから、充電にかかる時間などよくある質問に回答。「EV充電器設置でマンションの未来を守れ!未来に任せる君」では、ストーリー仕立てで2027年、2035年、2050年それぞれの地点から住居とEV充電器の状況について解説しています。EVについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
EVは「暮らしを考えるきっかけ」になる
東京都の新たな条例は、EVという存在が暮らし方を見直すきっかけになりつつあります。住まいを選ぶ際、これまでは利便性や立地、価格ばかりに目が行きがちでした。しかし、これからは「環境に配慮した住まい」「将来を見据えたインフラの整備」も、重要な判断基準の一つになります。
EVを取り巻く社会の動きは、私たち一人ひとりのライフスタイルに影響を与え始めています。今後の住まいや暮らしを考えるうえで、EV対応の視点を取り入れることが、より快適でサステナブルな未来をつくる第一歩になるのではないでしょうか。
【日産自動車EV普及と住環境に関する調査2025年】集合住宅でのEV充電、自宅充電がないことで購入を諦めた人は半数以上。7割以上が「自宅での充電ができればEVの購入意向が高まる」と回答。