新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、オフィスを取り巻く環境は劇的に変化しました。外出抑制が求められる中、多くの企業でリモートワークが導入され、人が集まることへの抵抗感が強くなり、オンライン会議の機会が増加するなど、働く人々へ与えた影響は多大です。アフターコロナと言われてる今、「三菱地所ホーム株式会社」の新オフィス「TOKYO BASE」にてオフィスビルマーケットの展望と求められるオフィスビルの在り方についてメディアセミナーが行われました。
今関 豊和氏(株式会社オフィスビル総合研究所 代表取締役)は「マーケットデータやテナントニーズから読み解くアフターコロナ時代のオフィスマーケットの現況と展望」について。
中村 和博氏(三菱地所ホーム株式会社 ワーク・イノベーション推進部長)は「働きやすさと価値創造を兼ね備えた、アフターコロナ時代に求められるオフィスの実例」について。
渡辺 恭介(日機装株式会社 ヘルスケア事業担当/UV-LED 事業担当 執行役員)は「アフターコロナ時代のオフィスに対する意識実態調査の結果に見る“スペースパフォーマンス”の重要性」について講演しました。
今年6月の本社移転にあわせて立ち上がった「TOKYO BASE」は、三菱地所グループとして初のABW(Activity Based Working )を採用しており、業務内容に合わせ各種ワークポイントを自由に選択できるフリーアドレス型のオフィスです。
岩手県雫石町や山梨県甲斐市から提供を受けたスギ・ヒノキ・カラマツの原木や廃材などを活用したカフェ空間と執務エリアに分かれいて、注文住宅事業に携わる会社としてSDGsや環境保全を考え、国産材を活用する商品思想や価値観を共有するようなイノベーティブなデザインが特徴です。執務エリアにある10種類のワークポイントにはそれぞれ個性をもたせ、コミュニケーションを促進する空間、アイディアを閃きやすい空間、生産性をたかめ“時間”を産みだす集中作業空間など、業務内容にあわせて選択できるように工夫されており、リモートワークとの併用を可能にしています。
また、ヘルスケアの観点から空間除菌消臭装置などを提供する日機装株式会社は、全国8大都市の企業で働く従業員200名及び、企業でオフィスの整備に携わる方200名を対象に「オフィスに関する意識実態調査」を実施しました。
実態調査から、これからのオフィスには「コストパフォーマンス」に次いで空間対効果「スペースパフォーマンス」を求める実態が判明。「コストパフォーマンス(コスパ)」があたり前に意識されていますが、アフターコロナ時代を迎え、スペースそのものや、空間づくりに関わるコストに対して得られる価値や成果、すなわち「スペースパフォーマンス(スペパ)」を重視する傾向にあると言えそうです。この「スペースパフォーマンス」を最大化するには、クリエイティブな思考を高めるような仕掛けを構築する必要があり、具体例として「照明・照度」「空間音」「クリーンエア」のマネジメントといったものが挙げられます。
クリーンエア対応は、床置きの空気清浄器や除菌脱臭機が一般的ですが、「スペースパフォーマンスを高める」という観点ではオフィス空間の効率化に繋がる天井対応型やダクト組込型の製品なども注目すべきアイテムです。
三菱地所ホームでも昨今の情勢を踏まえ、社員が細菌・ウイルスの存在を意識することなく、より「安心」して交流できる空間にしていきたいとの思いから、天井から除菌・消臭ができる日機装のエアロピュア シリーズ Cを導入しています。
まだまだ今後も続くであろう感染対策。感染対策と付き合いながらより快適に仕事をするには「スペースパフォーマンス」を意識したオフィスの在り方が重要だといえそうです。